ここでは、生理と腰痛との関係と、その対処法についてお伝えしたいと思います。
当院に来院される女性のなかでも、生理前と生理中には、頭痛や下腹部の痛み、イライラなどの不快な症状が現れやすい、
また上記の不快な症状に加えて腰の痛みや重だるさを感じる女性も多いです。
これは、どのようなメカニズムによるものなのでしょうか?
生理ともなう腰痛が起こるメカニズムと対処法についてお伝えしましょう。
生理前、生理中に腰が痛くなりやすい理由
生理前や生理中の腰の痛みには、主に4つの原因が考えられます。
(1)リラキシンによる靭帯のゆるみ
リラキシンとは、卵巣や子宮、胎盤などから分泌される女性ホルモンの1つで、関節や靭帯を緩める作用があります。
妊娠3か月~産後2、3日と、妊娠されていなくても生理前に分泌され、出産時に赤ちゃんが狭い骨盤を少しでも楽に通れるよう、骨盤の恥骨結合(ちこつけつごう:左右の恥骨が軟骨により結合している部分)をゆるめる働きをします。
リラキシンは恥骨結合だけでなくカラダ中の靭帯もゆるめるため、分泌が多くなる時期は関節の動く範囲が過剰になります。
そうすると、関節を支える筋肉や腱などへのストレスが大きくなるため、腰痛が起こりやすくなります。
また、カラダのゆがみが強いと、そのゆがみによって、普段から筋肉や腱に負担をかけ続けている人の場合、より負担がかかって、強い腰の痛みやその他の不快な症状を覚える人もいます。
(2)プロスタグランジンの影響
プロスタグランジンとは、子宮の収縮を促す物質です。
この分泌量が多くなると、腰痛や下腹部の痛みが起こりやすくなるとされます。
排卵後から生理前にかけて多く分泌されるので、生理前の腰痛はこの影響によるものが大きいと考えられています。
プロスタグランジンの影響による腰痛は、「月経前症候群(月経前緊張症・PMS)」の一種といわれています。
(月経前症候群とは、生理開始の1~2週間前から起こる心とカラダのさまざまな不調のことで、腹痛や頭痛、イライラ、不安感などの症状が現れることが多い。)
月経前症候群と自律神経のバランスの関係は密接で自律神経の変調から腰痛が引き起こされることもあります。
また、子宮筋腫や子宮内膜症などの疾患による月経困難症にも、腰痛がともなう場合があります。
(3)黄体ホルモンの影響による血液の滞り
下腹部や腰がだるい、重いという軽い腰痛の場合は、黄体ホルモン(プロゲステロン)の影響により骨盤内に血液が滞りやすくなることが主な原因と考えられています。
生理の2~3日前から腰がだるくなるという程度であれば、生理的な変化のひとつなので、あまり心配する必要はないでしょう。
生理に関連する腰痛の対処法
腰が重い、だるいと感じる程度の腰痛の場合は、カラダを温めることで症状の緩和や改善が期待できます。お風呂もシャワーで済ませるのではなく、湯船 につかったり、カラダを温める食べ物を意識的に摂ってカラダを冷やさないようにして血行をよくするほか、ストレッチのような軽い運動を行うのもいいでしょ う。
アロマオイルや入浴剤には血行をよくする効果が期待できますので、使ってみるとよいでしょう。
月経前症候群や月経困難症などによる腰痛の場合は、整体によるカラダと自律神経のバランス調整をされるとよいと思います。
強い症状が続く場合は薬物治療や原因疾患の治療が必要となることもありますので、受診しましょう。
月経前症候群では、低用量ピルが処方されることが多いようです。
生理は、長い間つき合っていかなければならない生理現象です。
なので、腰痛をはじめとした症状を完全になくすことはできませんが、対処の仕方によってはだいぶ緩和させることができるので、上手に対応していきましょう。
川越総合整体院